【毒親回顧録】普通を演じてしまう
普通のふりをする癖
両家の顔合わせや結婚式で、両親が「普通」の親を装っていた話を書きました。
これまで、人前では普通の親を演じる両親を見る度に、正直反吐が出そうになってきました。
しかし、私は私で、「普通」を装うことがあったのです。いちばん多かったのは、友達との会話での場面です。学生時代は、友達と親や家族の話になると、「分かる~お母さんってすぐそういうこと言うよね~。うちのお母さんは~」などと友達に合わせて嘘の親の話を作って話していました。
誰にも知られたくない
私は親が普通でないことを誰にも知られたくありませんでした。それは友達だけでなく大人に対してもそうでした。小学校の時、毎日提出する日記の宿題に親の話が出てこないと不自然に思われると思い、時々、嘘の親とのエピソードをでっちあげて日記にしていました。
そこまで徹底してでも、私は普通の家族の中で普通に育てられていると思われたかったのです。
可哀そうと思われたくない
親のことになると、嘘の話がどんどん出てきました。きっと、それは、自分の親もこんな風だったらいいなという理想の親像を語ったり書いたりしていたのだと思います。
本当の話をして、同情されたり可哀そうと思われたりするのも嫌でした。「普通」ではない両親のことを知って、私自身も「普通」じゃないと認定され、周りから人がいなくなることにも恐怖を感じていました。
きっと周りの人に相談できていたら私の人生も変わっていたと思います。しかし、人に相談するということを考えたことはありませんでした。幼い頃から、いちばん身近な大人である両親に相談事をしたり気持ちを伝えたりという機会がなかったからかもしれません。幼い頃の私は、誰かに相談したら事態が変わるということに考えが及びませんでした。